愛知県名古屋市の弁護士 交通事故・離婚など、お困りの際には名古屋駅前の法律相談をご利用下さい。

清水綜合法律事務所 Shimizu Law Office
清水綜合法律事務所 コラム

過去の記事 2009年 3月

3月 23 2009

離婚事件と弁護士の役割

■家事事件と離婚
当事務所では特に取扱事件の類型を限定せず、市民からの様々な相談を日々頂いておりますが、一般的な地域の法律事務所と同様、離婚や相続など家事関係の法律相談・依頼は一定の割合を占めています。

新人の弁護士や司法修習生と話をしていると、これから専門化していきたい取扱分野として家事関係や離婚を挙げる方は正直あまりおらず、人気があるとは言い難い分野かなとは思ってはいますが、これはこれで中々奥の深いものです。

 

■データから見る離婚問題の現状
厚生労働省の人口動態調査によると、平成17年度~平成19年度の離婚総数は、前年度比で順番に-3.3%(8887組減少)、-1.7%(4442組減少)、-1.0%(2643組減少)と続いており年々減少傾向にあります。

一方、裁判所に持ち込まれる離婚問題の件数は逆に増加傾向にあり、離婚訴訟の終局事件数は平成17年度~平成19年度では、前年度比で順番に+109%(4021件増加)、+21%(1642件増加)、+2.9%(271件増加)となっているほか、離婚調停の成立数も現状維持ないし増加傾向といえる状況になっています。(文末資料参照)

離婚総数自体が減少しているにもかかわらず、婚姻関係上の問題について裁判所を介して解決しようと考える人々が増加している背景には、価値観の多様化や、司法制度の活用が市民の間に浸透してきたこと等が考えられるでしょうか。当事務所の実感としても、離婚に関する悩みごとに関しては日々絶えることなく相談を頂くような状態であり、いつの世にも変わらず存在する人の悩みであるなあと思ったりしております。

 

■問題化しやすい類型
離婚に関する法律相談の中でもよく問題になり、受任しても解決が難航しがちな展開としても挙げられるのが、住宅ローンの残った不動産が夫婦共有財産となっているというケースです。

昨今は不動産の価格が高いわりに平均的な所得はさほど増加しておらず、サラリーマンの夫一人では住宅ローンの負担を支えきれなくなっている世帯が増えているように思います。そこで住宅購入の際には妻の両親が資金援助をした結果、不動産が夫婦共有名義になっているというようなケースも増えているのではないでしょうか。

こうした夫婦が離婚しようとした場合、夫婦双方が不動産の処遇に関してそれなりの意見やこだわり、発言権を持ってきますから、多額のローンが残った不動産の扱いについての方針が一致せず、売ることもローンを払うための金策を進めることもできないまま膠着状態に陥る場合が見られるのです。

また住宅ローンを組む際には連帯保証人がつきものですが、妻が住宅ローンの連帯保証人になっていたりすると、離婚しようとしても保証人の切り替えを金融機関に了承してもらうことが難しいなど、問題がさらにややこしくなってきます。さらに、妻の両親との二世帯住宅を、妻の父と夫が連帯債務者となって購入した場合などには、妻の両親も巻き込む複雑な問題となり、解決には大変な労力と時間を要することもあります。

このように、ともかく夫婦共有財産の中に不動産があるケースというものは協議が難航しがちで、どう進めるか頭の痛い状況がしばしばあるわけです。

 

■離婚事件というものの難しさと意義
不動産の問題以外にも、慰謝料や財産分与はもちろんのこと、子がいれば親権や養育費の問題が生じますし、離婚は調停前置ですから判決まで争えば解決までの時間も1年では済まないことも珍しくありません。離婚事件というものが、家事事件の中でもやや敬遠される傾向があるのは、このように多方面の調整をしなければならない弁護士側の負担が非常に重いということも一因といえるでしょう。

ただ、離婚や不動産の処分をめぐって先述のような夫婦間の膠着状態が生じてしまいますと、もはや当事者間だけで解決することは事実上不可能ではないかなと思います。感情的になってしまいがちな当事者をサポートしつつ、ともかく話を前に進めるためには、弁護士が果たす役割というものが大変に重要となってくるのです。根気よく依頼者と相手の話を聞きながら地道に交渉や期日を重ねることで、苦しみながらも解決の道筋というものが生まれてくるものと経験上感じています。

いつの世にも変わらず存在する人の悩み、と表現しましたが、離婚というものは常にニーズのある法的問題の一つであり、専門家の適切なサポートがより良い結果をもたらすことのできる分野でもあると思っています。無事に解決した後で、依頼者からその後の状況報告などを頂いたりした時には何とも嬉しい気持ちになるものです。

私にとってもまだまだ工夫の余地はありますが、案件担当中は依頼者とともに悩んだり怒ったりしつつ、依頼者にとって有意義な人生の再スタートとなるよう、試行錯誤しつつ日々努めております。
(新日本法規出版㈱ Legal Information Mail Magazine(LIMM)リーガルコラム2008年12月掲載)

 

○離婚総数(厚生労働省人口動態調査)
平成17年度 26万1917組:前年度比-3.3%(8887組減少)
平成18年度 25万7475組:前年度比-1.7%(4442組減少)
平成19年度 25万4832組:前年度比-1.0%(2643組減少)

○離婚訴訟の終局件数(最高裁判所統計。認容、却下、和解等を含む件数)
平成17年度 7680件:前年度比+109%(4021件増加)
平成18年度 9322件:前年度比+21.4%(1642件増加)
平成19年度 9593件:前年度比+2.9%(271件増加)

○調停成立数(最高裁判所統計。調停離婚、婚姻継続等を含む件数)
平成17年度 2万9871件:前年度比-2.1%(649件減少)
平成18年度 3万0178件:前年度比+1.0%(307件増加)
平成19年度 3万1625件:前年度比+4.8%(1447件増加)

カテゴリー:日々の雑感

3月 01 2009

ネットバンクを利用する

弁護士はお客さんから依頼を受けて損害賠償を請求したり返済交渉をしたりと、依頼者のお金を扱う機会が大変多いものです。また事務所の運営においても、弁護士会の研修費を払ったり税金を払ったりといった用事が日々ありますから、法律事務所の事務員さんは何かというと銀行まで出かけていくことになります。法律事務所は裁判所の近くで開業されることが多いようですが、銀行・ATMの近さも割と重要なポイントだと思っています。

 

ただ最近ではATMからの振込限度額が1口座あたり1日150万円までとされていますから、ATMだけの利用ですと少し大きい金額の振込みでも銀行窓口で手続しなくてはならなくなり、混雑している時に長いこと待たされたり、細かい話ですが振込用紙を書く手間もかかります。ネットバンクを利用すれば、150万円以上の振込や日付指定振込、口座残高の確認なども外出することなく可能となりますし、振込手数料もATMや銀行窓口より安く済ませることができます。逆にこういったシステムを利用していないと、お客さんからの入金があったかどうかを確認するために、事務員さんが一日に何度もATMまで走って記帳を繰り返すといった光景が繰り広げられてしまいますから、こうしたロスは事前に回避する方向で事務所を設計することが必要でしょう。

 

破産や相続などで裁判所の手続を利用する場合に、裁判所へお金を納めることがありますが、この際にはPay-easy(ペイジー)を使ったネット経由の費用納付をすることができます。事前に裁判所で「電子納付」利用の登録手続が必要ですが、一度登録してしまえば、その後は裁判所から発行される納付番号をPCから入力してすぐ納付完了、振込手数料も不要と、非常に便利なものですから是非お勧めしたいものです。
これを現金で納付しようとした場合、裁判所のお金を扱っている窓口(出納課)や金融機関で支払をすることになりますが、やはり支払伝票に記入をしたり、混雑していると待たされたりする手間が生じてしまうことになります。

 

こういった細かなことは、法律事務所では基本的に事務員さんが行う作業ですから、弁護士自身はそれほど気にしなくてもよい、という考え方もあるかと思います。
しかし独立開業した直後ですと、事務員さんがおらず経営者弁護士が全てやらなければならないという事態も普通にあるでしょうし、そうでなくても事務方の作業効率というものは、結局のところ弁護士自身の仕事の効率に直結してくるものです。
あちこちから良いやり方を取り入れ、できるところから無駄な労力をカットして日々効率化を図っていくという精神が、地味な部分ではありますが大変重要だと考えています。
お勧めの業務効率化対策があれば、私にも是非教えていただきたいと思っています。

カテゴリー:業務の効率化

copyright © 2007 Shimizu Law Office. All Rights Reserved. 運営:清水 加奈美