相続・遺産分割 Q&A
Q: 子がいない夫婦に遺言は不要?
A:

お子さんがいない夫婦の場合、財産を残すべき後継者もいないということで、遺言など不要でしょうか?
結論から言うと、むしろこうしたケースこそ、後々のトラブルを回避するため遺言を残しておく必要性が高いと考えております。

お子さんのいない夫婦の一方が亡くなった場合、相続分はどうなるかご存知でしょうか?
たとえば夫が亡くなった場合、相続人となるのは残された妻1人だけとは限りません。
場合によって、「夫の両親」や「夫の兄弟」が法定相続人となることも十分ありうるのです。

■夫が亡くなった場合の法定相続分

<事例1>
夫の両親が生きている場合
→妻:3分の2、夫の両親:3分の1
<事例2>
夫の両親が生きておらず、夫の兄弟がいる場合
→妻:4分の3、夫の兄弟:4分の1

このように、夫の両親(直系尊属)や夫の兄弟が生存している場合、妻は亡き夫の遺産を当然に全て相続することはできませんので、くれぐれも注意してください。
こういった問題を予防し、残された配偶者が生活していくための遺産を残すためには、遺言を残しておくことが有効なのです。

<事例1>において、夫が「遺産を全て妻に相続させる」旨の有効な遺言を残していた場合、具体的にはどうなるでしょうか。

夫の両親は、相続財産全体の6分の1について遺留分を有していますから、「妻に全ての財産を相続させる」という夫の遺言は、夫の両親の遺留分を侵害していることになります。ただ遺留分を侵害する遺言は、実際に夫の両親が遺留分減殺請求権を行使するまでは、直ちに無効ではありません。
そこで妻はこの遺言の効力によって、亡き夫の遺産を全て相続することができます。

ただ、夫の両親が遺留分減殺請求権を行使してきた場合には、この遺言は遺留分に反する範囲内で効力を失いますから、妻は相続財産の6分の1について相続できなくなります。
とはいえ、遺言がない状態において妻の相続分は3分の2ですから、遺言を残しておくことによって、最悪の場合でも相続財産全体の6分の5まで妻の相続分を確保することが出来るのです。

<事例2>では、遺言をするメリットがさらに大きくなります。
兄弟には遺留分がないため、「遺産を全て妻に相続させる」旨の遺言に対して、夫の兄弟は遺留分減殺請求権を行使することができません。そこでこちらのケースでは、遺言を残しておくことで、妻は夫の遺産の全てを相続することが可能となります。

親子間ならばともかく、兄弟間の遺産分割協議はトラブルに発展することも珍しくありませんから、遺言を残しておくことは非常に大切です。現金など容易に分割できる相続財産だけならまだしも、不動産がほぼ唯一の相続財産であり、夫が兄弟と疎遠である場合などでは、名義移転や売却も自由にできなくなってしまう可能性があるのです。

■遺言する際の注意

せっかく遺言を残しても、前提となる遺言の存在自体やその有効性が争いとならないよう、十分に注意する必要があります。当事務所では検認の必要がなく、改変・滅失のおそれも低い公正証書遺言をお勧めいたします。
公正証書遺言には2名の証人が必要ですが、当事務所の弁護士が証人となることも可能ですから、遺言内容の秘密を守りつつ遺言を残すことができます。
まずはご希望の方針について、ご相談いただければと思います。




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