相続・遺産分割 Q&A
Q: 遺産分割協議はいつまでに行いますか?
A:

結論から言うと、遺産分割協議自体をする義務や、その期限というものが法律で定まっているわけではありません。
だだ実際問題として、有効な遺産分割協議書が無ければ、被相続人名義の銀行預金などが引き出せなかったり、不動産の名義を変更できなかったりという支障はあります。ではそれらを特に気にしないという事であれば、遺産分割協議というものを当面放置しておいても構わないものでしょうか?

当事務所としては、遺産分割の対象となるもの、特に不動産が残されている場合には、速やかに遺産分割協議を済ませ、相続人名義の登記をしておくことをお勧めしています。
遺産分割協議をせずに遺産を放置しておくと、法定相続人だった者が死亡してさらに相続が起こったり、それによって法定相続人の人数がどんどん増えてしまう可能性があり、時間が経てば経つほど収集がつかなくなるおそれが高まるからです。

不動産が先代や先々代から遺産分割されず、そのままになっている件を複数目にしたことがあります。こういった場合、登記名義が変更されていないため、当時の不動産名義人である被相続人の名前のまま、固定資産税の支払い用紙が毎年届き続け、不動産を事実上管理している親族が、代わりに税金をずっと支払っているという状態が見られるのです。

こういった状態で数年ないし数十年が経過してから、いざ不動産の売却や担保設定をするため、正式に遺産分割協議を行う必要が生じたとします。
しかしその頃には、当時の法定相続人が既に亡くなっていて再相続が起こっている場合がままあるのです。亡くなった方に子が複数あるような場合では、その子全員が現時点での法定相続人となりますから、遺産分割協議はこれらのメンバーを全員含めた相続人全員でする必要があるのです。子の一人が亡くなっているようなケースなら、さらにその子(非相続人から見た孫)全員が法定相続人となります。

親子や兄弟同士ならまだしも、さらにその子、孫の代になってしまうと関係が疎遠になっていたり、互いに考え方の合わない方がいたりと、その時点での法定相続人全員で穏便に遺産分割協議をまとめることが難しくなってくるのは、想像に難くないでしょう。
それほど争いのないケースであっても、長い時間が経過する中で法定相続人が遠方に散らばっている場合も珍しくないため、連絡を取り合って誤解のないよう協議をまとめる労力は大変なものとなってしまうのです。

さらに相続開始時に法定相続人だった方の一人が、妻も子もないまま死亡しているようなケースでは、その方の持分について相続人が現在一人もいないことになるため、相続財産管理人の選任が必要となってしまうこともあります。
この場合、相続財産管理人の選任には、裁判所に数十万円〜の予納金を納めなければなりませんし、相続財産管理業務が終了するには優に1年以上かかりますから、問題を解決するための時間も費用も余分にかかり、相続人全体にかかる負担も非常に重くなってしまう危険があるのです。

こういった理由から、分割対象となる遺産があるケースにおいて、遺産分割協議をせずに放置しておくことはお勧めできません。亡くなった方の葬儀が済み、気持ちが落ち着いてきた頃に、早めの検討と協議を行うことがよろしいでしょう。

また相続財産の価格が大きく、相続税が生じているようなケースでは、相続があったことを知ったときから10ヶ月以内に相続税の申告をする必要があります。申告時に遺産分割協議が終了しており、相続人間での分割内容が確定していれば、税の申告もスムーズになりますから、いずれにしろ早め早めの対応が後のトラブルを少なくすることになるのです。こういったことも含めて、まずはご相談いただければと思います。




□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
名古屋市中村区名駅三丁目26番19号 名駅永田ビル5階
清水綜合法律事務所 http://www.shimizu-lawoffice.jp/
弁護士 清水 加奈美
TEL:052-587-3555
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


【ウインドウを閉じる】



相続・遺産分割 相談申込フォームへ | 清水綜合法律事務所 ホームへ