1月 21 2009
独立開業の計画を立てる
弁護士をはじめ、いわゆる「士業」と呼ばれる業種は、当初どこかの事務所に勤務して仕事を覚えていきながら、やがて独立して自力でお客さんを取って行くという展開がよく見られると思います。
一般の方からすると少しイメージが違うかもしれませんが、弁護士というものは結構職人的な業界で、親方のところに弟子入りして丁稚奉公しつつ、親方の技術を盗んで一人前になっていくような雰囲気があります。
勤務弁護士(イソ弁)時代に担当する事件の経験は、将来自分が独立開業するときの血肉となるものです。イソ弁生活をしていると、経営者弁護士(ボス弁)が次々と仕事を振ってきてコノヤロウと思ったりもするわけですが、依頼者のためだけでなく自分自身のためにも、おろそかにしてはならないものであるわけです。
開業といっても、何から手をつけたらいいのか見当がつかない、という場合もあるかもしれませんが、まずは勤務弁護士として今任されている案件について、どうすることが依頼者にとって最善なのかを考えて精一杯やることがプロとしての大前提です。そういった日々の努力のなかから、開業への心構えや、「ここは自分の事務所でも真似してみたい」「こうしたらより効率的になるのではないか」といった具体的な開業イメージも育っていくものだと思っています。
また開業イメージを具体化するためには、先に開業した先生の事務所を見せてもらうことも非常に有効だったと思います。私も開業を考え始めた頃、同期で開業した先生を飲みに誘い出して事務所見学をさせてもらったことがありました。あれこれ聞き出して迷惑だったかもしれませんが、テナントの坪数や各種備品のリース料金などが数値で出てくると、自分だけで考えていた頃よりもずっと具体的に開業までの段取りをイメージできるようになったことを覚えています。やはり持つべきものは良いお友達ということですね。